熱海の海岸、寛一とお宮、そしてダイヤモンド。
明治時代、尾崎紅葉が書いた小説「金色夜叉」はあまりにも有名ですね。
お宮はダイヤモンドに目がくらみ、寛一ではなく大富豪の男性と結婚してしまうお話しです。
新聞に連載されていたのですが連載中に作者が亡くなったために未完のままだったようです。
ダイヤモンドは和名で「金剛石」といいます。
金色夜叉のなかでは「金剛石」にカタカナで「ダイヤモンド」とフリガナをふって何度も登場します。
多くの人がその美しさや輝きに圧倒された様子が表現されていますね。
お宮の心は一気にダイヤモンドに奪われたわけです。
寛一は相当な恨み節を並べて輝かしい未来と反対の世界へ飛び込むのですが。。。
ダイヤモンドの指輪がお金持ちの象徴になったのはお宮の相手の富豪がそれを身に着けていたからなのかもしれません。
小説のなかではあまり好印象ではないダイヤモンドの指輪は今となっては愛の印の代表です。
その価値を正しく知って本当の愛を見つけましょう!
この記事でわかること
1.ダイヤモンドの指輪の価値について
光輝くダイヤモンドの指輪は、女性であれば一度は憧れ、身に着けたいと思った事があるのではないでしょうか。
今は女性だけではなく、おしゃれを楽しむ男性の間でもダイヤモンドの指輪は人気です。
そんなダイヤモンドの指輪の価値についてお伝えします。
ダイヤモンドと聞くと婚約指輪の一粒のダイヤモンドを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
しかし、ダイヤモンドの指輪はそれだけではありません。
「メレダイヤ」と言われている小さいダイヤモンドだけをセットした指輪も人気が高いデザインです。
婚約指輪の様な一粒ダイヤモンドが指輪の中心にセットされている指輪の場合、一粒ダイヤモンドの大きさとグレードが指輪の価格を左右します。
一方で、メレダイヤだけがあしらわれている指輪の場合はメレダイヤのグレードも当然大切になりますが、デザインの良し悪しも価格を左右します。
買取り店などではデザインが今風で華やかな指輪はそのまま販売が出来る為、店側は指輪を製品として買取りをしてくれます。
ですから、通常の地金とメレダイヤの素材だけの買取価格とは異なります。
そして、ハイブランドのダイヤモンドの指輪はブランド製品として買取りをされる場合がほとんどで高値で評価されます。
そこにダイヤモンドの品質は大きくはひびきません。
また、ダイヤモンドは色石に比べ買取り価格がつきやすいのです。
色石はその時の市場の流行があり、同じ石でも価格がつかなくなる事もあります。
ダイヤモンドはグレードの人気によって多少左右されますが、価格がつかなくなる物はグレードが凄く低くない限りほぼありません。
購入から年月が経っても、沢山身に着けていたとしても金やプラチナとダイヤモンドは素材としてきちんと価格がつく点では資産価値はあると思います。
皆さんがダイヤモンドの指輪を購入をする際に今後売る事を目的としてはいませんよね。
着ける事を楽しみに購入してください。楽しい思い出が出来た事にも価値がありますよ。
2.ダイヤモンドの色の種類について
ダイヤモンドというと輝く無色透明な石を思い浮かべる方が多いと思います。
ですが、最近は雑誌などで無色透明以外のブルーやピンク、グリーン、イエローなどの色を持つダイヤモンド「カラーダイヤモンド」の記事が掲載されその存在をご存知の方も増えてきました。
カラーダイヤモンドは無色透明のダイヤモンドとはまた違った魅力があり、その存在感を感じる輝きは見ている人を魅了してくれます。
2-1【無色透明】
無色透明のダイヤモンドは、誰もが一番先に思い浮かべるダイヤモンドではないでしょうか。
一見、全て無色透明の見えますがそれは少なく、薄い黄色味がかかっていたりブラウンの色味がかかっていたりと無色透明のダイヤモンドのカテゴリの中でも少しずつ異なります。
また、無色透明のダイヤモンドと類似石の「キュービックジルコニア」をインターネットなどで「○○ダイヤモンド」と誤解を与えるような書き出しで販売しているところもあります。
「大粒1ctで1万円!!」などと。
ダイヤモンドと間違えてしまう方がいるほど似ています。
しかし、この二つは全く別のもので「キュービックジルコニア」は決してダイヤモンドの仲間ではありませんので注意が必要です。
2-2【カラーダイヤモンド】
カラーダイヤモンドとは言葉の通り色がない無色透明ではなく自然に色のついたダイヤモンドです。
Dカラー(無色透明)からZカラー(淡いイエロー)までのダイヤモンドとは全く別のカテゴリーなのです。
そして、1万個に一つの割合で天然のカラーダイヤモンドは全ての色があると言われています。
その中でもブルーダイヤやピンク、グリーン、イエローは、代表的なカラーダイヤモンドです。
特に、グリーンダイヤモンドやブルーダイヤモンドはとても稀少で高値で取引されています。
その他のカラーダイヤモンドも無色透明のダイヤモンドに比べて高値で取引されています。
また、なぜダイヤモンドに色がついたのかは化学的には完全には証明されていないようです。
純粋なダイヤモンドは炭素原子のみで構成されています。
そこに他の原子が混ざったり炭素原子が欠けたりすることで色が見えてきます。
多くは窒素が入ることで黄色味を帯びてくるのです。
カラーグレードD~Zは窒素による黄色味を表しています。
ブルーダイヤモンドは炭素原子とホウ素が置換する(置き換わる)ことが原因で起こる現象によってブルーになり、ホウ素の量で色の濃淡が変わります。
ピンクダイヤモンドは、炭素原子が欠ける事により色がつき、グリーンダイヤモンドは天然の放射線が原因で結晶構造に歪みが出るために色が付くと言われています。
このように何かの原子が取り込まれたり欠ける事により色がつくと言われているのです。
2-2-1《ブルーダイヤ》
ジュエリーショップやデパートなどでよく目にするブルーダイヤモンドは実はほとんどが人為的に色がつけられたものです。
ほとんどが天然の色のブルーダイヤモンドではありません。
販売する側もそれを告げないことも少なくないのです。
天然のブルーダイヤモンドはどちらかというとグレーがかった感じがします。
よく目にするのは鮮やかな深いブルーです。
夏にかき氷にかけるシロップのような青色は天然にはほとんどありません。
天然のブルーはグレーの色が入れば入るほど価値は下がります。
あったとしたら、人為的な色合いなのです。
そして、天然のブルーダイヤモンドは決して気軽な金額で購入できることは決してありません。
2-2-2《ピンクダイヤ》
ピンクダイヤモンドのほとんどがオーストラリアのアーガイル鉱山のものです。
その他はインドやロシアタンザニアなどからもピンクダイヤモンドは産出されます。
そして、ピンクダイヤモンドの色は価値を決める大きな要素です。
その色はカットの良し悪しで出方が違う為カッターの技量が重要なポイントになるのです。
大粒のピンクダイヤモンドは淡いピンク色がおおよそですがパープル系のピンク色もあります。
気を付けるべきポイントは茶がかっていないことです。
ピンクダイヤモンドもブルーダイヤモンド同様美しい天然の色合いに出会うのは困難です。
ピンクダイヤモンドの指輪などのジュエリーである程度の大きさで気軽な金額で出会っていたら少し疑うほうが良いかもしれません。
2-2-3《グリーンダイヤ》
グリーンダイヤモンドはカラーダイヤモンドの中でも最も稀少な色合いの一つです。
ブルーやピンクダイヤモンドを凌ぐ程なのです。
手の届く金額の大きな美しいグリーンダイヤモンドはほとんど皆無です。
天然のグリーンダイヤモンドは通常はっきりした色合いではなく淡い色合いがほとんどです。
2-2-4《イエローダイヤ》
カラーダイヤモンドの中でも一番といえる位目にするのがイエローダイヤモンドです。
当然天然の色合いと人為的な色合いのものが存します。
天然のもので薄いレモンイエローではなく大変濃いめの色で透明感があるイエローダイヤモンドが価値があります。
色のチャートもはっきり分れています。
茶色の色合いを含まないことと、傷などのクラリティを気にしすぎず綺麗な黄色のダイヤモンドを是非選んでください。
3.ダイヤモンドの4Cについて
4Cという言葉を宝石好きの方なら一度は耳にした事がある言葉ではないでしょうか。
4Cとは、GIA(米国宝石学会)が確率した品質を評価する品質評価国際基準です。
「Caratカラット(重さ)」
「Colorカラー(色)」
「Clarityクラリティ(透明度)」
「Cutカット(プロポーション)」
頭文字にCが4つあるこから「4C」「フォーシー」「ヨンシー」「よっつのシー」などといわれています。
そして、ダイヤモンドの価値や売買価格を決定する上で参考となるものです。
4Cは一粒のダイヤモンドの価値の判断基準になり、指輪の脇にあしらわれているメレダイヤにはグレードは存在しますが4Cの評価表はありません。
4Cは購入する際の判断基準になり綺麗なダイヤモンドが欲しい方には大切になりますが、4Cを意識し過ぎてしまわないようにする事も大切です。
また、4C以外にもダイヤモンドには蛍光性の有無やテリにより同じ品質のダイヤモンドでも輝きが異なります。
グレードはある程度大切だと思いますが一番大切なのは運命のダイヤモンドとの出会いです。
それを忘れずにダイヤモンド選びを楽しんでください。
3-1【Carat(重さ)】
ダイヤモンドのカラットは重さを表す単位で表記は「ct」です。
憧れの1ctの重さは0.2gです。
あれ?そんなに軽いの?と思う人は多いでしょう。
1円玉が1gですから、ダイヤモンドの重さはかなり軽いのです。
そして、表面(テーブル面)の直径、見た目の大きさだと勘違いしている方も多いですね。
販売員の方も「このダイヤモンドの大きさは、〇〇カラットです。」と伝えているのも皆さんを誤解させてしまう原因になっているかもしれません。
けれども、実際に店頭では消費者は「このダイヤモンドの重さはどれ位ですか?」とはほとんど聞きません。
どちらかというと「このダイヤモンドの大きさはどれ位ですか?」と聞く人が多いのです。
大きさ=カラットと使用されています。
しかし、「カラットは、表面の大きさではなくダイヤモンドの重さの単位である」ということを頭の中に入れておくといいでしょう。
3-2【Color(色)】
一見無色透明に見えますが多くのダイヤモンドには微妙に黄色味がついています。
もちろん、無色透明のダイヤモンドも数は少ないのですが市場には出回っています。
ダイヤモンドのカラーを評価するカラーグレーディングは、アルファベットのDからZの23段階に等級付けされます。
また、DからFまたはGのカラーは宝石の販売員の方でも等級の色の違いは分からない位です。
D | E | F | G | H | I | J | K~M | N~R | S~Z |
—— COLORLES S— —-NEARCOLORLESS—- -FAINT – –VERYLIGHT– —LIGHT—
3-3【Clarity(透明度)】
クラリティは傷や内包物(インクルージョン)の多さの程度の度合いで等級付けされています。
ダイヤモンドの内部のインクルージョンや研磨の際に出来た外部の傷の有無と程度を11等級に分けます。
全く内包物を抱えず無キズのものををFL(フローレス)
そのあとにIF(インターナリーフローレス)
VVS(ベリーベリースライトリーインクルーテッド)1、VVS2
VS(ベリースライトリーインクルーテッド)1、VS2
SI(スライトリーインクルーテッド)1、SI2
I(インクルーテッド)1、I2、I3と続きます。
市場に多く出回っているのはVVSクラス、VSクラス、SIクラスです。
Iクラスのダイヤモンドで出回っているのはI1がほとんどです。
ちなみに読み方は、「IF(アイエフ)」「VVS(ブイブイエス)」などアルファベットをそのまま読む事がほとんどです。
3-4【Cut(プロポーション)】
4Cの中で唯一人が関与出来るのがカットです。
カットによりダイヤモンドが元々持っている輝きを存分に発揮させることが出来ます。
カット評価は
「Excellent(エクセレント)」
「VeryGood(ベリーグット)」
「Good(グット)」
「Fair(フェア)」
「Poor(プア)」
と5段階に等級付けられています。
また、カット評価にはポリッシュやシンメトリーの良し悪しやガードルの厚さなど全体のバランスが大切になります。
エクセレントには全体的なエクセレントとカットの評価の内訳のポリッシュとシンメトリーの2つもエクセレント評価の場合、最高のカット評価のトリプルエクセレントになります。
トリプルエクセレントのダイヤモンドはカットの状態を見ることができる「ダイヤモンド用スコープ」で覗くと表からは槍の先端の様な形が見え、裏からみるとハートの形が確認出来ます。
これをハート&キューピッドと呼びます。
カットの評価は、通常のエクセレントより高くなります。
また、2006年4月以降に鑑定書のカット評価の変更が行われました。
新しい基準はGIA基準になり安定しました。
それにより2006年4月以前の鑑定書の場合カット評価が下がってしまう可能性もあります。
4.ダイヤの主な産地
ダイヤモンドの産地は南アフリカ大陸のボツワナ、コンゴ民主共和国(ザイール)、南アフリカ、ロシア、オーストラリア、カナダ、中国など世界各地から産出されており産地は大陸内に限られているのも特徴の一つです。
ダイヤモンドが一番初めに発見されたのはインドです。
紀元前4世紀頃から取引が行われていたと言われています。
インドでの産出が減ってきた際にブラジルが次の産出国として注目を浴び、ブラジルがダイヤモンド市場を占めていた時期もありました。
そして、西アフリカのシエラレオネで採れたダイヤモンドは紛争の資金源になっており「紛争ダイヤモンド」や「血のダイヤモンド」と言われていました。
ですが、そんなシエラレオネで2017年12月に「平和のダイヤ」と名付けられたダイヤモンドの原石がオークションにかけられました。
その大きさはなんと709カラットになり、落札価格は日本円で7億3千万です。
この原石採掘した方は牧師さんでシエラレオネ政府に贈呈し、正規のルートでオークションに出品され、その売上金はシエラレオネ政府に託されました。
村の設備や教育など地域の発展にあてられるとの事です。
輝かしいダイヤモンドはその輝きと同様に今後も輝かしい未来への役に立っていってほしいですね。
5.ダイヤモンドについてのあれこれ
いつかは光輝くダイヤモンドの婚約指輪や結婚指輪を贈ってもらいたい。
永遠の愛を誓いたい。
小さい頃から夢を見てきた事が現実になる時、光り輝くダイヤモンドは一緒に夢を叶えてくれるアイテムの一つです。
そんなダイヤモンドは和名では金剛石(こんごうせき)と呼びます。
そして、ダイヤモンドは地球の中で出来上がるまでに長い年月がかかっています。
ダイヤモンドは地球内部のマントルの高温高圧の条件で出来ます。
地殻の隙間を通り地表近くまで凄い勢いで上昇し、火山の爆発により冷却固化し発見されます。
ここで大切な事は、地表近くまでの上昇する勢いです。
この速さによりジュエリーで使用されるダイヤモンドになるかグラファイトになるか決まります。
ちなみにグラファイトは鉛筆の芯の原料になっています。
また、速度が速い方が透明になります。
小さい頃からの憧れのダイヤモンドと小さい頃から慣れ親しんだ鉛筆が同じ炭素と言う事はとっても不思議な事ですね。
ダイヤモンドには先に述べたように4Cのグレードがありますがそれはあくまでも人間が決めた物差しにすぎません。
そのグレードが最高級だとしても必ずしも輝くとは限らないのです。
全く同じグレードでも輝き方は違います。
そして、最高級のグレードだけがダイヤモンドではないことも大切なことです。
6.ダイヤモンドの石言葉
4月の誕生石のダイヤモンドの石言葉は、清浄無垢や永遠の絆、純潔です。
婚約指輪や結婚指輪にダイヤモンドが選ばれる理由が分かりますね。
また、ダイヤモンドは身につけると肉体や精神を強くしてくれ勝負事にもお勧めで、美や富を得たい方にもお勧めな石です。
ダイヤモンドは永遠の愛を誓う為だけでなく、何かをやりたい、成し遂げたい方に最適です。
手元で光輝くダイヤモンドが皆様の背中を押してくれる手助けになるかもしれません。
7.保存方法や注意点などのアドバイス
ダイヤモンドは鉱物のモース硬度10と天然で最も硬い物質です。
ですが、硬いから丈夫で欠けない、割れないなどと思わないように注意しましょう。
もちろんトンカチなどで強く叩いたら割れてしまいます。
それ以外でも割れたり欠けたりする可能性がダイヤモンドにはあります。
それは、劈開(へきかい)という性質です。
劈開は、ある一定の方向だけ物にぶつけたりすると割れたり欠けたりします。
ダイヤモンドも他の石と同じように他のジュエリーとぶつからないようにジュエリーボックスに入れて保管をしましょう。
汚れが気になった際はお近くのジュエリーショップで磨いてもらいましょう。
歯ブラシなどで磨く事はお勧めいたしません。
歯ブラシなどで磨く事が出来るのはダイヤモンドがきちっと爪で留まっている物に限ります。
爪が浮いていたり、爪が留まっていないダイヤモンドの指輪を歯ブラシで磨くとダイヤモンドが外れる原因にもなります。
お近くのジュエリーショップやご購入店でお磨きをお願いする事をお勧めします。