翡翠は英語で「JADE」
「JADE」と聞くと日本の超有名ロックバンド「XＪＡＰＡＮ」の曲を思い出します。実際に翡翠のことなのか、他の名詞や動詞なのか、
または形容詞として使ったのかは不明ですが良い曲です。
２０１０年アメリカのLAにあるコダックシアターの屋上で行われたライブで「JADE」が演奏されたことは有名です。
また、アメリカの作家レイモンドチャンドラーの「さらば愛しき女よ」は有名なハードボイルド小説です。
その小説には一粒６キャラットもある最高級の翡翠を何十個もつないだネックレスを劇中に登場させています。
古くは万葉集から現代の小説まで、色々な分野に登場する翡翠は果てしない時空をこえて支持されている宝石なのです。
あの艶やかなインペリアルグリーンの虜になる人はきっと翡翠に憧れているのかもしれません。
この記事でわかること
1.翡翠の指輪の価値について
おばあ様から貰った深緑色の翡翠の指輪。
デザインも古いけれど今時翡翠を身に着けている人いるのかしら。。
そもそも翡翠は価値があるものなのかも分からない。。
思い切って、買取店に持って行き査定をしてもらい判断をしよう。
と考える方も多いのではないでしょうか。
翡翠は、硬玉（ジェイダイト）と軟玉（ネフライト）の2種類に分けられます。
見た目は似ていますが全く別の鉱物です。そして、価値も大きく異なります。
どちらの方が高く取引されるかというと硬玉（ジェイダイト）です。
その中でも琅玕（ろうかん）という見ていると自然と吸い込まれてしまうような澄んだ半透明の深緑色の翡翠は希少なのです。
買取価格も物によっては数十万から数百万と高く、価値のある最高級な翡翠です。もちろん希少な翡翠なのでその指輪の販売価格は数百万からそれ以上のものもあります。
翡翠の指輪の資産価値に関しては、やはり琅玕（ろうかん）のような澄んだ深緑色の翡翠が高価なため人気です。
そのあとに淡い綺麗な薄紫色のラベンダー翡翠が人気です。
翡翠自体が綺麗なのはもちろんの事、指輪としての資産価値を考える時はデザインも大切です。
例えば、ブランド品で何十年も前に流行ったデザインバッグを今購入したいと思う人は少なく、どちらかというとそのブランドの今流行りのデザインの物を身に着けたいと思いませんか。
同じように多くの方が魅了される希少な翡翠と身に着けたいと思うようなデザインが１セットになってこそ指輪の資産価値はより上がるのです。
先に述べたのはお金にする場合の価値についてです。
しかし、価値とは人それぞれが決める物でもあります。
例えば、先祖代々受け継がれてきた翡翠の指輪や帯留めが買取店に持って行った時、翡翠の石自体は値段が全くつかない物だったとします。
けれども、その家系にとって受け継がれて来たとても大切なもの。
そういった意味で価値のある物に違いありません。
ですから、その大切なものが資産としての価値があるかどうかは話が全く別なのです。
皆それぞれ物に対しての想いが違います。
資産価値がある指輪などのジュエリーを身に着け、いつか手放す事を考えている人もいれば、代々受け継がれている価値のある指輪と考える人もいます。
翡翠の硬玉（ジェイダイト）と軟玉（ネフライト）の2種類のように価値という言葉は考え方でそれぞれ異なります。
2.翡翠のランク
翡翠には見た目は似ていますが鉱物としては全く別の硬玉（ジェイダイト）と軟玉（ネフライト）の2種類あります。
中国では数千年も前から翡翠が好まれ色々な玉器が作られてきました。それら全ては軟玉（ネフライト）なのです。
翡翠といったら我々日本人は中国をイメージします。ですから、希少で高値で取引される硬玉（ジェイダイト）も中国で取れると思っている方も多いかもしれないですね。
ですが、硬玉（ジェイダイト）は18世紀頃にミャンマーからやってきました。
当初は、硬玉（ジェイダイト）と軟玉（ネフライト）は見た目が似ていたので同じものと認識されていました。
そんな見た目は似ていても中身は違う双子のような鉱物についてお伝えします。
2-1【硬玉】
２種類の翡翠で硬い方が硬玉（ジェイダイト）です。
現在は、硬玉（ジェイダイト）の事を本翡翠といいます。高値で取引される事の多い硬玉(ジェイダイト)。
鉱物種では、輝石族で特徴は小さな繊維状または、粒状の結晶が複雑に絡みあう組織をもっています。
そして、軟玉（ネフライト）よりカラーバリエーションが豊富なのも特徴の一つです。
通常、硬玉（ジェイダイト）は研磨の際に表面に光沢を出すためワックス加工が施されるのが一般的です。ワックス加工をすることにより価格が下がる事はありません。
高額なジュエリーにはこの硬玉（ジェイダイト）、いわゆる本翡翠が使用されています。
2-2【軟玉】
軟らかい方が軟玉（ネフライト）です。
２種類の翡翠で最初に中国で見つかったのがこちらです。鉱物種では、角閃石族になります。
硬玉（ジェイダイト）に比べて主な産地が中国以外にもニュージーランドやアメリカなど沢山あります。
また、軟玉（ネフライト）は、硬玉（ジェイダイト）より軟らかいのは事実ですが、硬度の数値では６.５～７（モース硬度）と６～６.５（モース硬度）と大きな差はありません。
ネフライトは、「腎臓の石」とも言われています。ネフライトは英語でnephriteで、古代ギリシャ語で腎臓を意味するnephrosと英語で石を意味する-iteが合わさり「腎臓の石」と呼ばれています。
大昔に中南米でネフライトをあてて腎臓の治療をしている姿をスペイン人が見たことから「腎臓の石」の名前がついたと言われています。
お土産でよく見る宗教的なお守りとして仏像のような彫りが施されているペンダントトップや置物の仏像などはほとんど軟玉（ネフライト）です。
3.翡翠の色について
翡翠の色は硬玉（ジェイダイト）と軟玉（ネフライト）ではカラーバリエーションが違います。
多くの方がイメージしている翡翠の色は緑色です。この色によって全く違う鉱物が大昔に違いが分からず同じ鉱物とされたのです。
今思うと仕方のない事ですね。
色味の違いは硬玉（ジェイダイト）の方が鮮やかな色合いをしています。もし、近代で見つかっていたら二つ鉱物の名前は一緒になる事はなかったかもしれません。
そう思うとこの「緑色」が運命を変えたのかもしれません。
硬玉（ジェイダイト）の色は緑色の他に赤や、淡いピンク色にも見える事がある薄紫（ラベンダー）、青、白、黄、橙、黒色など色々なカラーが存在しています。
白い硬玉（ジェイダイト）を人工的に着色する事もありますが、色の劣化が早く、もちろん手を加えているので価格も下がります。
軟玉（ネフライト）は緑色から暗緑や黒色、白などカラーバリエーションは少なめです。
4.翡翠の主な産地
２種類の翡翠は産地ももちろん違います。翡翠は採れる地域が限られてます。特に硬玉（ジェイダイト）は採れる地域が少ないので希少と言われています。
硬玉（ジェイダイト）は一番知られている産地はミャンマーではないでしょうか。
その他に、日本の新潟県糸魚川や青海地方、ロシア、アメリカ、グアテマラなどの中南米などにも鉱床があります。
軟玉（ネフライト）は中国が一番知られています。
その他に、台湾、カナダ、アメリカ、ロシア、ニュージーランドなどがあげられます。
4-1【日本】
大昔に日本で翡翠が取れるはずがないと言われていた時代もありましたが実は日本も翡翠が採掘できる国なのです。
昭和初期に日本の産地が確定するまでは他の大陸から来たと言われていました。
こんな話があります。
翡翠が高価なものだと思わず、お漬物を漬ける重石として使用した人がいたという話です。それほど翡翠が採れる地域の人にとっては身近なものだったのかもしれませんね。
また、日本の遺跡から翡翠の勾玉などが出土されています。弥生時代や古墳時代に祭祀・呪術などに装飾品などに加工されていました。
ですが、奈良時代以降に一旦なくなってしまうのです。
翡翠が大昔から神事や宗教的な意味合いで使われてきた歴史が様々な歴史書に残されています。
このように、昭和初期に日本産地と確定するその前から装飾品として楽しまれ、使われていたのですね。
また、その多くが新潟県の糸魚川と言われています。
富山県にヒスイ海岸と呼ばれている海岸があり、海辺で翡翠の原石が拾えます。旅行など行かれた際には訪れてみてはいかがでしょうか。
4-2【海外】
硬玉（ジェイダイト）はミャンマーのカチン州が主な産地で、上質な翡翠が産出される割合が高いのです。アメリカ、ロシア、グアテマラなどでも産出しています。
軟玉（ネフライト）は中国が主です。中国の軟玉（ネフライト）は新疆ウイグル自治区の和田玉が高級品です。その中でも羊脂玉は最高級品と言われています。
5.翡翠に関する豆知識
カワセミを翡翠とも呼びます。
中国から伝わったという語は、赤色の「翡」を意味していた為、カワセミの羽の緑とお腹の赤が由来となり名づけられました。「翡」はカワセミのオス、「翠」は、メスと言われています。
翡翠は英語で「JADE（ジェイド）」と言います。ヨーロッパでは緑色の石全般を指す場合もあるそうです。
なかには、翡翠を宝石と思わない人もいるくらい中国や日本と違い、あまり人気がありません。
その国のそれぞれの歴史によっても宝石への感じ方は変わってきます。
6.翡翠の指輪の意味
翡翠はエメラルドと同じ５月の誕生石でもありますが、それだけではなくその他にも身に着けているといいことがありそうなとてもワクワクするような宝石です。
健康、商売繁盛、長寿、人間関係を良くしたい、災いから身を守ってくれるなど、生きていく上で重要なことに関してパワーを発揮するといわれ、一歩踏み出して自分を高めたい人や、自分一人では出来ないことに力をかしてもらいたい時など、持つとよいかもしれません。
幸せになるために必要な事が盛りだくさんなパワーストーンです。
7.翡翠の指輪の保存方法や注意点
通常の宝石類と同様にお使いになったら軽くクロスなどで拭き保管して下さい。傷が付きにくい翡翠ですが、しまう際には他のジュエリーとぶつからないように気を付けましょう。
また、硬度が高いとは言われていますが、絶対割れたり欠けたりなどしないわけではありません。
日常生活で着けることは問題ありませんが落としたり、強く硬い物にぶつけたりすると割れたりしてしまう可能性がありますので注意して下さい。
また、購入に関しましては翡翠以外の緑色の石に「○○翡翠」と別名（フォルスネーム）を付けて販売しているケースもあります。
購入する場合は、きちんとした機関の鑑別書や信用あるお店の保証書がついているものを購入することをおすすめします。
