日本では高級な指輪などのジェリーには必ずプラチナが使われています。
同じデザインの指輪の場合どんなに綺麗でもホワイトゴールドだと安っぽい感じがして、「私はプラチナじゃないと。。」という人はかなり多かったはずです。
いつのころからプラチナはゴールドにその座を明け渡したのでしょうか。
ジュエリーを作る側はプラチナが高値の時こぞってK18のホワイトゴールドで制作したのもです。プラチナが高すぎて量産出来なかったからです。
ホワイトゴールドが安っぽいなんて言えない時代になってきました。今となってはゴールドはプラチナをしのぐ勢いです。
しかしプラチナは重さもしっかりある貴金属なので、高級感を感じます。
最高級の宝石やダイヤモンドのとの相性が一番いいのはやはりプラチナなのではないでしょうか。
この記事でわかること
1.プラチナの指輪の価値について
プラチナは、古代エジプトの「テーベの小箱」と呼ばれる化粧箱の一部や、アンデス文明のジュエリーにも使われていました。
シルバーに似た白い金属で、スペイン語のプラタ(plata―銀)からプラチナと呼ばれるようになりました。
プラチナは溶解温度が1772℃と非常に高く、この溶けにくさが壁となって18世紀に溶鉱炉が発明されるまでは、ジュエリーとしては使われにくい時代が長く続きました。
プラチナを本格的にジュエリーの素材に用いたのは、フランスの老舗宝飾店カルティエです。
19世紀初頭にプラチナを使用したガーランドスタイルジュエリーは、プラチナの特性を見事に活かした繊細で精巧なつくりで、ジュエリー界をリードしました。
プラチナは和名を「白金」といいます。
プラチナの滑らかな輝きは、独特の質感があり、色はシルバーと同じ白系ですが、シルバーより渋みのある色合いをしています。
プラチナは、そのしなやかで粘る特性から繊細なデザインのジュエリーに多く用いられます。
シルバーのように黒ずむこともなく、硬度が高く丈夫なため、宝石をはめこむ指輪の台や爪にも大変適しており、その独特の白さがダイヤモンドなどの宝石を一層引き立たせてくれます。
プラチナは特に日本での人気が高く、ブライダルリングでは圧倒的なシェアを誇っています。欧米ではプラチナの代わりにホワイトゴールド(白金色)を用いることも多いようです。
また、プラチナは稀少性がきわめて高い貴金属です。
世界のプラチナの年間供給量は約200トン、これはゴールドの約1/19の量です。また、有史以来の総生産量も、約7,000トンと、ゴールドの約1/26以下しか地上に存在していません。
含有量も1トンの原鉱石からわずか約3g(小さな指輪一つ分)しか採れないのです。その稀少性の高さは金をはるかに凌ぎます。
またプラチナは、世界各地で産出されるゴールドと違い、極限られた地域でしか産出されません。
産出国の第1位は南アフリカで、シェアは約75%にも上ります。2位のロシア、3位の北米を含めると、このわずか3か国で90%以上を占めています。
採掘量・流通量ともに非常に限られているプラチナは市場規模が小さいこともあり、資産としての価値は高いのです。
しかしここ3年程はゴールドのほうがグラム単価は高くプラチナとの価格はねじれ現象が起きています。世界経済が要因ではあってもそのねじれが解消される見込みはまだないようです。
しかし高値で買取をしてくれるお店も増えています。ジュエリーボックスの片隅に使わないまま保管されているのなら、換金して新しいジュエリーの購入に充てるも一案ですね。
2.プラチナの種類
プラチナ自体は軟らかく、100%の純度ではジュエリーの素材としては傷つきやすく加工がしにくい状態です。
そのため、ほかの金属をまぜて合金にし、ジュエリーに適した硬さにして使用するのが一般的です。
このプラチナ合金の品位を表すのに、通常は1000分率で表示します。品位とは、地金やコインの中に含まれる金・ 銀の割合のことを言います。
プラチナの指輪の裏側に、「Pt1000」「Pt950」といった数字が彫り込まれているのを見たことがある方もいらっしゃるでしょう。
「Pt1000」「Pt950」などの違いは、その製品にどのくらいのプラチナが含まれているのかを表し、純度の違いを示しています。
日本の造幣局で品位証明を受けるためには、最低「Pt850以上」の品位が必要となっているため、純粋なプラチナを「Pt1000」とし、「Pt950」、「Pt900」、「Pt850」という4つの品位で表示されています。
それに対し、欧米では「Pt950以上」の1品位制をとっている国も多く、海外有名ブランド製品の多くが「Pt950」を用いています。
Pt1000 / 1000 ⇒ 100% 純プラチナ
Pt950 / 950 ⇒ 95% 純プラチナ + 5% 他の金属
Pt900 / 900 ⇒ 90% 純プラチナ + 10% 他の金属
Pt850 / 850 ⇒ 85% 純プラチナ + 15% 他の金属
指輪用のプラチナは、硬度やデザイン加工のしやすさから、白い金属のパラジウムを混ぜた合金が一般的です。
特に日本では、結婚指輪や婚約指輪には必ずといっていいほどプラチナが使われており、「Pt950」や「Pt900」といった純度の合金素材が主に使われています。
プラチナは、熱に強く、日常生活で使用しても変質・変色の心配がありません。
結婚指輪は一生に一度、二人で交わす記念の品であり、「変わらないもの」の象徴として、ありのままの白い輝きが永続的に楽しめることが、プラチナがブライダル製品に使われる所以かもしれませんね。
2-1【Pt1000】
プラチナ純度100%を意味するPt1000は、稀少なプラチナの中でも、もっとも高価な金属です。
Pt1000ですが、これはプラチナの含有率がおよそ99.9%ものを指し、一般に純プラチナと呼ばれています。
ジュエリーとしては軟らかすぎて不向きといわれてきましたが、最近ではハードと呼ばれる加工を施すことで、ジュエリーに使うことも可能になっています。
ジュエリーとして用いられるほかにも、コインやインゴットの形状のものは確かな実物資産としても取引されています。
2-2【Pt950】
プラチナ純度95%のPt950は、婚約指輪や結婚指輪、海外の高級ブランドの製品でよく使われる素材です。
欧米ではプラチナの品位を法律で「Pt950以上」としているところも多く、海外有名ブランドの製品に多く使用されています。
高い品質を保ちながらも加工のしやすさと強度を備えるため、ジュエリーの世界では人気の高いプラチナ合金です。
2-3【Pt900】
プラチナ純度90%のPt900は、婚約指輪や結婚指輪をはじめ、国内での流通量も多く、日本を代表するジュエラーも多く採用する素材です。
Pt900は、Pt950より軽くて装着感がよく、明るい輝きが人気です。
2-4【Pt850】
プラチナ純度85%のPt850は、耐久性が高いことからネックレスのチェーン素材としてもよく使われています。
また、加工のしやすさと傷がつきにくいことから、凝ったデザインのジュエリーにも用いられています。
3.プラチナについてのあれこれ
稀少価値が高く、美しい輝きで人気を誇るプラチナですが、実は宝飾品として使用されているのは約30%程度です。
プラチナの半分以上は工業用として使用されており、なかでもディーゼル車の排ガス触媒(排気ガスに含まれる有害物質を無害化するための物質)に最も多く使用されています。
熱に強く、酸やアルカリにも強く、 長い歳月を経ても変質・変色しにくい特徴から、科学、コンピュータ、医療、バイオなど、多岐にわたる産業でプラチナは使用されており、現代の生活にはなくてはならない貴金属なのです。
そんな優れた特性を持つプラチナですが、科学的には地球の温度や気圧では生成できないため、どうして地球上にプラチナが存在するのか、長い間謎とされてきました。
一説によると、今から約25億年前(約40億年前という説もあります)に地球に飛来した隕石によってもたらされたという説が、現在学会では有力のようです。
地球に激突した隕石が、地球の地殻を貫き、プレート移動によってマントルの中を撹拌され、それによって地表付近まで持ち上げられ、それが鉱床となったというのです。
プラチナの柔らかな輝きから、はるかなる宇宙の神秘へ思いを馳せてみるのもステキですね。
4.保存方法や注意点などのアドバイス
耐久性に優れたプラチナ素材の指輪ですが、少しでも購入した時の良い状態を保つために、重い荷物を持つ時、運動する時、温泉に入る時などは指輪をはずしておくことをおすすめします。
また、指輪を使用した後は、汗や皮脂が付着していることもありますので、柔らかい布などで軽く拭いておきましょう。
その際に、指輪にキズなどの傷みがないかも確認しておきましょう。指輪の傷みに気がついたときは、放置せずに、早めに購入したお店へ連絡して相談してみるのがおすすめです。
信頼のおけるお店でしたら修理に対応してくれるはずです。日常使いの指輪は、定期的なメンテナンスとして指輪のクリーニングサービスを利用するのもおすすめです。
油分などの汚れを取るにはぴったりのサービスですし、購入されたお店が無料で行ってくれることも多いようです。
ブラチナの指輪を保管する場合は、ジュエリーボックスなどで傷つけないように保管しましょう。
長く愛用するためにも修理、日々のお手入れ、定期的なメンテナンスをしながら、いつまでも美しい状態を保っておきたいですね。